diary

快復

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2011.02.20 雨のち曇

穀雨、春雨が降って百穀を潤す。雨のオノマトペ。雨の語彙。氷雨、小糠雨、土砂降り、五月雨、霧雨、秋黴雨…..。しとしと、ぴちゃぴちゃ、ざぁざぁ….。実際の音はそんなふうに聞こえない。なのになぜそう書くのか。イヌイット語では雪を表すのに100やら400種類あるとなにかで読んだ。実際は4種類だとも読んだ。どちらがほんとうかはイヌイット語をつかう人が知っている。それで充分である。

第十六候、葭始生。春告げ魚。大手スーパの魚売場なんぞではなかなかお目にかかれない。淡泊なのに焼いてたべるとしっかりした味に思える(煮付けの印象があるからつと思う)。先週、若布を食す。新鮮だったので煮ただけ。うまい。贅沢である。贅沢の使い方をまちがっている。

贅沢とは、「通常の自分の状態から、どこか掛け離れていると思われるのだけど、心のどこかではその領域に入り込んでみたいと思う心」(『「食」の課外授業』 西江 雅之 P.165)だという。価値がお金におきかえられると贅沢の響きや意味あいもかわってきた。世間が評価する贅沢と、自分が判定する贅沢。ふたつの贅沢、書き方はひとつ、使い方はことなる。

読み手は前者の贅沢として読み、書き手は後者の贅沢として書く。新鮮な若布を煮て食べる、それのどこか贅沢なの?って読み方と贅沢だ! って書き方。伝達はおもしろい。伝達にノイズが混じり効率は低下して思うように伝わらない。青筋を立てるまでもない。そういうものだと書けばわかる。自分が読む側にまわって読めば的をはずして受け止める。

昨日の続き。午前中、睡眠。朝、昼、食べず。水分のみ。19:00からF先生とデータベースの打ち合わせがあるので、なんとかして行きたい。昼前に目が覚めて体調の変化を感じとる。いけそう。お腹のごろごろ感は昨日の感じとちがう。ゴロゴロではなくゴロコロぐらい。それでもトイレに駆け込むこと二度。下痢。

午後からM先生のテキストを作成。書き続けてきた文章に手を入れて仕上げる。今回はほとんど寝かせず先生へメール。むずかしい。

16:00すぎに出発。駅のトイレに立ち寄る。乗車。新大阪駅あたりでお腹が鳴きはじめる。隣席の人に聞こえるぐらいの大きな音。腹の虫なら呵々大笑できようも、マンガにでてくる絵に描いたような擬音語の”ゴロゴロ”では誰がどう聞いても「あなた、下痢ですよね?!」と心の中で訊ねていらっしゃるだろう。

大阪駅のトイレへ。このトイレが境目だった。そうわかるときがある。「あっ、出尽くしたな」って感覚。たとえこれからも出るとしてもひどい状態じゃなくなるなって実感。快復へ転じたと自覚できた大阪駅のトイレ。

大阪駅で一時間ほど読書。サンマルコの前を通る。鼻がひくひく。むふぅ。カウンタに座って「季節の野菜カレー」っておもわず注文したい。脳はひとあしはやく平常だと錯覚しておる。食べたくて食べたくてしょうがない。嗅覚は列車に乗るまでは失われていた。大阪駅のトイレを境目に嗅覚は感覚を取り戻したらしい。身体が自制してくれる。せめてもの救い。

19:00からF先生とミーティング。その時のお腹は70%程度の状態と測定。モノを食べなければの前提で。データベースの打ち合わせは45分ほどで終了。それから食事へ。先生とごいっしょするのはひさしぶり。僕は茶碗蒸しをいただきながらお茶。茶碗蒸しをうけいれたお腹はベートーヴェン第9交響曲第4楽章を奏でる。

F先生と医院全体へ支援を申し上げる要素は減っている。医院の課題に対して自分の能力が追いつけない。自覚。負い目を感じる時期をすごした。負い目はかわらない。少しずつ冷静になってきた自分。過不足なき最適な自己評価は不可能だろう。そう理解している。わずかでも支援申し上げられる要素を吟味して、丁寧に尽くしていくしかない。そう思う。

僕にとってF先生の最大の魅力は、いつまでしゃべってもしゃべり足りない、ってこと。先生は僕に気を遣ってくださっている(たぶん、かなりで)。丁々発止ではないし批評を賜る機会は少ない。それでもしゃべり足りない。自信を持って申し上げられる。お互い体力が持てば朝まで呑みしゃべりつづけるだろう。

でなければ、3.11以来、もやもやしていない。「もやもや」という先生のたった一言でなんとなく僕はわかったような気になれた。それが幸せだ。言葉が上滑りする。上滑りしないようにいままで以上に気をつけて先生とお酒を呑みたいと願う。

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