日常からほんのわずかにずれた出来事が贅沢

2013.10.12 10.13 晴れ

[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=4ZFBFqapoWQ]

fula – tropical5 でスタート。ラジオで知ってから頻繁に聴いている。オーガニックなサウンドって言われてたけど、意味はわからず、とにかく音が好き。CDで聴くよりライブを体感したい方の音楽。ふわっとして体がジャムするみたいな。

西武で第9回 滋賀のええもんうまいもん祭りが催されていたので、散歩ぶらり。長等の商店街からぐるっと回って歩いていたら、大津祭の曳山の組み立てや試験曳き(?)に遭遇。木が軋む音とお囃子。曳山は女人禁制なのかな、やっぱり。

長等の商店街を島ノ関まで抜けるなかで目にするシャッタは、休日閉店の装いよりも、浮世から暇をもらっているかのような表情で、数えていないにしろ開店よりも数は多そうだった。数ヶ月前に目にした新しいお店の装飾が取り払われ、代わりに貸店舗の広告が貼られ、徒歩30近くかかるここへ足を運ばない(残っていない)後ろ髪を引かれるわずかな思いが空を漂う。商店街の「商業」は、大店舗を規制しても昔の姿を取り戻すような単純な問題でもないことは、歩けばわかる。

西武の前に書店へ立ち寄る。“MONKEY No.1 ◆ 青春のポール・オースター(柴田元幸責任編集)” スイッチパブリッシング が在庫なし、やっぱりね、大阪でもなかった。

大津祭 曳山 桃山

西武に到着して、目当ての近江牛コロッケを探索。1個、100円。昔なら見栄もあったのに馬齢は見栄と恥を捨てさせるけれど、1個100円のコロッケはよくよく醒めると贅沢であり、この場の雰囲気に飲み込まれているだけなんだからと小銭を渡しながら開き直り、隣の近江牛ミンチカツを買ってしまったところに、まだ残っている自分の中の衒いを認識しつつ、このままぐるぐる回ったら財布がダダ漏れするのは間違いなく、早々に引き上げて屋上で食す、美味。

夏の日射しより柔らかくて眩しい西日に当たり汗がジワリ、水をゴクリ。

写真を撮りながらぶらぶら歩き、1個100円のコロッケで小腹を満たし、柔らかい光と穏やかな影を眺める贅沢。贅沢って、普段からできない、もしくは無精でしなかったことのなかで、日常から少しズラしてやれる合間である。たいてい日常の内側にあるはずなのに外側へ視線は向けられる。

お金があればできることが贅沢であったとしても、それらは私の想像の埒外であり、楽しむ仕方そのものを知らないし、もし新鮮な驚きの連続であっても自分を拡張してくれるアップデートではなさそうだ。そういう贅沢も味わってみたいけれど、無精な自分にとっての贅沢は、「今日は何をしよう」と心中つぶやいて朝からワクワクすることでしょう。