紫陽花

hydrangea

今年は紫陽花をよく撮影したしじっくり眺めた。撮影した写真を見てはこうすればよかったと未来の自分へ付箋紙をわたした。未来から現在に移ろいわたされた過去を思い出した。ああすればよかったとまた未来へ付箋をはる。紫陽花が過去と未来を往来させる。草花を知覚する水晶体の解像度が年々増しているかのよう。そのときそこで不意に出会ったものに投じる淡い期待。

満開を頂点に風景を認識したら始点と終点が区切られる。

情景と記憶が円環に変容したとき自分よりもずっと前からいてこの後もいつづける時の軸が立ち現れる。

見ると見られるの関係が転じる。