ベンチ
diary

6分間の短編映画

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HAPPY – Lucy でスタート。FM80.2のヘビロテ。日本のバンドが洋楽なリズムを英語で歌う楽曲をよく耳にするようになった。全部、英語もあれば、はじめは英語で途中だけ日本語もあり、ちょっと戸惑うときも。この曲もはじめて聴いたとき、なんで邦楽のヘビロテなんだろうって調べた。音楽シーンの幅が広がってるおもしろい。

列車の扉が開いた。手動だ。補助席に座っていた私のそばにおじいさんが立った。進行方向と反対向きに座ると気持ち悪くなる方はいるけれどまぁいい。次が終点。席を立ち、声をかけた。

おじいさんは「いいですよ、いいですよ」と手を振った。「いえ、どうぞ」と譲ろうとするが、「次が終点ですから大丈夫ですよ」と笑顔を向けられた。

「では失礼します」と私は腰をおろした。

「そのお気持ちだけで十分です。とてもうれしいんですよ」としっかりした口調のあと、「うちの息子はそんなことしませんよ」と笑われた。

そして6分間の短編映画がはじまった。

駅まで40分歩いてきたおじいさんは、ここで(場所はふせておく)生まれた。尋常小学校を卒業後、親から進学を反対されたが、なんとか説得して、長男である自分だけは進学させてもらった。弟たちは進学させてもらえなかった。隣の終点まで通学して、旧制中等教育学校を卒業後、建設会社に就職した。トンネル工事に携わっていたようで、全国を飛び回っていたらしい。

当時は大きな大きなトラックを運転していた。「いまでも無免許でよかったら30トンでも運転しますよ」と冗談を飛ばす。そして昭和44年、いまの場所に家を建てた(価格も教えてくれた)。うまれも育ちも「ここ」である。

そこまで伺った私は、「うん? おじいさん、おいくつだろう?」と思った。いぶかしげな表情がすぐに現れたせいか、「あっ、あの…..」と口にした途端、「83歳と6ヶ月になります」とまたにっこりされた。

びっくりした。お年を召していらっしゃると感じたが、矍鑠たるご様子でなめらかな口調、耳も遠くなさそうだったので、思わず「えー」と失礼な声をあげてしまった。刹那、やってくる羞恥。

「2月××日に生まれたので、ちょうど83歳と6ヶ月です」と、もう一度おっしゃった。すっかりその笑顔に虜になってしまった私と同じ誕生月、日も遠からず。

話は続く。息子さんが外国で勤務していて、最近、関西に帰ってきたことや、息子さんとのプライベートなお話を表情豊かに語った。

6分間で83年間を語れるおじいさんがとてもすてきだった。もちろん何も語っていないに等しいが、半生の短編映画を鑑賞しているようだった。

そしてすべて敬語で話してくださったこと。何よりも魅了された。独り言のように話すのではなく、終始私の目をしっかり見て丁寧に語っているお姿が、記憶に強く刻まれた。

深い皺と少しだけ濁った瞳が齢の重みを表しているようで見入った。

自分も必ずこういう話し方ができるようになりたい。どれだけ歳を重ねても、年齢の上下に関係なく、一人の人間としてしなやかにふるまえるようになりたい。

尊敬してもやまない偶然の出会に心底うれしかった。

終点でお礼を申し上げて、私は列車を乗り換える。乗り換え時間が数分しかなく、残念だった。

( ひまわりです。せがたかくておおきいです。なつのひかりがあたるときいろがあざかやです。ひまわりのたねはたべられます。 )

向日葵

RICOH GR DIGITAL 2

大津市のハザードマップを調べようとして、市のHPへアクセスしたら見つけられず往生した。各都道府県はハザードマップを作成していて、滋賀県も公開している。

とはいえ積極的な告知はしていないのじゃないかしら。先日、報道を耳にした。どうやら事情があるとの由。命より経済へ配慮が配られる。

不思議な社会。

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