倒れた大木
diary

城から見える景色が変わったらしい

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「目標を意識せずにひたすら登っている人が、最も高いところにいる」というクロムウェルの言葉があるが、彼の心境はまさにこうであった。禅とオートバイ修理技術〈下〉P.22

達成できない目標をかかげる。是が非でも達成する気持ちは消える。目標は目標の案出。目的はずいぶんむかしに失踪した。生活習慣病。習慣を辞書で調べる。習慣は第二の天性なりという。習慣は人の性行に影響を与える。長田弘先生は「習慣というのは今は分の悪い言葉として語られることも多くなりました」と書いた(『なつかしい時間』 。習慣に含まれるニュアンスは惰性であり惰性はよくない。習慣のイメージをぬぐい去ろうと用いられる先生の習慣。

達成できない目標をかかげる。嘘をついて達成する。不要になった家電が家から消える。そしてどこかの山林にとつぜん現れる。自分の視野から消えれば目標に達した。

なぜここにこれを書かなければならないのかわからない書類。意味不明な項目。どうしてここでないとこの手続きができないのか理解できない窓口。意味不明な瞠目。

大勢のひとがなにか変だと思っていてもやりすごす。反対が積み重ねられて中止になるかと思いきやそのまま続けられる。個の感覚は鳴りをひそめる。どこからともなく生成された積年の面子。内輪の法則が言動の基礎。

「変わった人」というのは、その人を退ける言葉、排除する言葉などではなく、むしろ人生に対する態度、姿勢が、人とは違う人を言う言葉で、それは違う価値をもつ人を尊重する思いもふくんだ言葉でした。なつかしい時間 (岩波新書)

「変わっている」と耳にする。どこが変わっているか。どうやら自分たちの城から見える景色が変わったらしい。自分たちの城は揺るがない。城下町から見える城は砂上の楼閣であったとしても城内の人々は疑わない。かつては疑っていた。城内での滞在時間はふえる。刻一刻とかわる景色。

「変わっている」と耳にする。城中での言動からずれているから「変わっている」らしい。個の感覚は内輪に駆逐された。

ミレニアムの登場人物には痛みを感じない男がいる。無自覚は無敵。肉体は傷ついても痛みを感じない。致命傷ですら痛みはない。他人の痛みはわかるかと問い詰められているようで息がつまる。無自覚のままおとずれる死。城内の人のけしからぬふるまいが城下町でみられても町民の視線を浴びても平気。城内でつまはじきにされなければ剛気。

内輪には先人の仕事が残っている。無数にちらばっている。自ら考えなくても先人の仕事を流用すれば自分の仕事に化ける。むかしからもこれからも個の感覚は鳴りをひそめ化けた数の仕事が面子の石を河原に積み上げる。河原に積み上がった石の数が効率化だ。内輪に入ったときからはじめから存在する石を拾う。

拾える石がなければよどむ。内からでた思案の断片が相手のからだをとおってふたたび手元へ言葉にかわってもどってくる。言葉を砕いて思案の断片をさがす。自分の断片か相手の欠片かみわけられない。それでも組み立てる。黙って組み立てる。必要な時間。また組み上がった断片を相手へさしだす。もどってくる。完成の設計図はない。

効率からみたよどみは変わった人。

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