“自分”が商売に利用されるようになったのはいつからだろう。
「自分探し」からはじまって、書店は「自分」を並べ、メディアは「自分」を特集する。まるでスマートフォンの通知設定をすべてオンにしたかのように「自分」が目に入る。
ほんとうの自分。
どこにいるかわからない。
この先もわからないだろう。
わかったことはただひとつ。
唯一無二と出会うべくして出会えば自分は在る。
しないでいられないことを為し、信じ、はじめから身につけていたかのような辞書にない心づかいを覚え、”自分”との向き合い方を贈ってくれる。
毎日飲む珈琲があたりまえのように、衒いなく外連味なく湧く、毎日のありがとう。