琵琶湖

参ったな書き足りないじゃないか

昨年12月の最終週から紙に日記を書いている。いままでは iPhone と Mac の Day One を使っていた。移動中に iPhone の Day One に書けば、Wi-Fi経由で Mac と同期。反対に Mac の Day One で書いたら iPhone と同期。

はじめからMOLESKINEと決めていたが、デイリーかウイークリーに迷った。2016年 限定版 星の王子さま|12ヶ月デイリーダイアリー Pocketを買うつもりだった。が、見開き1日のスペース。久しぶりの紙デビュー、スペースに腰が引けた。三日坊主はさけよう。というわけで、モレスキン 星の王子さま 手帳 2016 ウィークリー 限定版 1月始まり ラージ DPP12WN3Y16を購入した。あわせてLAMYサファリ ブルー 万年筆(F) L14-Fを買った。はじめての万年筆で前から欲しかったもの。

いまのところ日記は順調だ。順調すぎて来年はデイリーにしようかと調子に乗りすぎている。

万年筆で書く気持ちよさもあり、ノートを開いてなにも考えずに手を動かす。漢字が書けなくて困る。バカだ。キーボードで入力して確かめる。または辞書を引く。

書くと落ち着く。まるで中学、高校の日記をつけていたころに戻ったようなタイムスリップ。

混沌。混沌に暗さや負はない。日々感じること。書いていることは、たぶん矛盾している。でも小さな矛盾をほぐして解けても、小さな矛盾と小さな矛盾が知恵の輪のようにからみあって、より大きな矛盾を持っているかもしれない。俯瞰の視座に立てたら、そんなイメージを見るんじゃないかな。想像だけど。

三つ子の魂百まで、という。幼いときの性質は老年まで変わらない。養老孟司先生の言葉が片隅に残っている。

「人間はひたすら変わっていくものなのです。変わっていって当たり前だ、という常識がまずあります。そういう常識の中で、あいつは死ぬまで、あの点だけは変わらなかったよなあ、と驚嘆、感嘆したときの言葉なのです。人間変わるのが当たり前なのに、変わらないものもあるんだなあと。そうでなければ格言になって残るはずがないでしょう。」(バカにならない読書術 (朝日新書 72) P.36)

先生はこの話を方々で語っていらっしゃる。

驚きがあるから時代の濾過は格言として残す。昔は「変わることが当たり前」だった。変わっていくなかで、変わらないものが人にある。その驚きを表している。そんなニュアンスをこめて先生は語られる。

現代は反対。この格言は「変わらないこと」を表すような使われ方。「変わらない」ことが前提になった。人も物事も。

”ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。”

先生が引き合いに出される一文。「変わっていって当たり前」を表す。

学校で教わった。でも、私はその意味をゆっくり考えたことはない。

「個性」が謳われる。変わらないと錯覚している個性。個性を強調する社会は、個性的な行動を選べば杭を打つ。あるいは「変な」と冠詞をつける。「変な」が個性の箱を開けた中身だと思うけど。

琵琶湖で撮影していて感じる。自然は、自然であることを気にせずうつろう。人は気にしながら変わり、やがて折り合う。それが人の自然だろう。そこに「時間」がある。

時が人を変えるのか、人が時を越えるのか。わからない。いつかわかるときがくるのを待っている。

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