関係の質を強く感じられる瞬間

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TEDの動画。『ロバート・ウォールディンガー:人生を幸せにするのは何? 最も長期に渡る幸福の研究から』(12分46秒)を視聴した。字幕を文章でも読める

一生を通し、私達を幸福で健康にするものは何でしょう?名声や富 ―そう考える人はたくさんいます。しかし、心理学者ロバート・ウォールディンガーに拠ると、それは間違っているのです。75年に渡る成人発達に関する研究のディレクターであるウォールディンガーは、真の幸福と満足感に関する無類のデータを基に、この研究結果が私達に教える3つの重要な教訓と、昔からの知恵、幸せな長寿の秘訣を、このトークで語ります。

2000年以上前から問い続けられる幸福論。ロバート・ウォールディンガー教授が提示した3つの重要な教訓。

  1. 周りとの繫がりは健康に本当に良い
  2. 身近な人達との関係の質
  3. 良い関係は身体の健康だけでなく脳をも守ってくれる

1.周りとの繫がりは健康に本当に良い

「孤独は命取り」という結果がでた。家族や友達、コミュニティとよく繋がっている人は幸せであり身体的に健康。そして長生きしている。

2.身近な人達との関係の質

関係の量より質。友人の数だけがものをいうのではない。生涯を共にする相手の有無でもない。追跡調査の結果は「50才で最も幸せな人間関係にいた人が80才になっても一番健康だった」と示した。

3.良い関係は身体の健康だけでなく脳をも守ってくれる

パートナーには全く頼れないと感じている人には、記憶障害が早期に現れ始める。

形而上学的な問題を科学的手法で取り組んだ。世界でも珍しい長期間の追跡調査から得られた研究結果。だとしても、3つの重要な教訓は鵜呑みできないかな。

特に「3.脳を守る」は、早計な印象。あるいは一般向けに要約してわかりやすく伝えるための表現かもしれないと感じた。

たとえば孤独。ヘンリー・D. ソローの「森の生活」を読んでいると、孤独が毒ではないし、孤独は創造の母だと思う。孤立は心身に痛手を負わせるかもしれないが、孤独は必ずしもそうではない。

無病息災が健康であっても、教授が指摘するように争いが絶えない暮らしであれば、心身は疲れてくるだろう。一病息災という。病を患い何かが変わっていく人もいると思う。

STEVE JOBS Last Words - スティーブジョブス最後の言葉

The wealth I have won in my life I cannot bring with me. What I can bring is only the memories precipitated by love.

胸に迫る最期の言葉。
ときどき目を通す。
なのに欲をつい求める。
資力が解決できる問題はたくさんあると思ったり。

ほんとうにむずかしい。
むかし『幸福について』や『幸福論』を読んでもわからなかった。

いまは「感じる」「なろうとする」こと、五感や意思かもしれないとうっすらぼんやりよぎる。

動画を視聴して、一つだけ確かめられて安心できた。それは関係の質。

信頼できること。分かり合えること。分かち合えること。頼り頼られること。苦楽をともにできること。

関係の質。
最高の質を授けてくれる存在が自らを変えてくれる。
比べられない最高の質。

変わっていくなかで、関係の質を強く感じられる瞬間。その瞬間と瞬間が結びつき、線から面へと広がる。ふと何かの拍子にふり向いたとき、広大な情景が描かれてきた。それが「幸せ」なのではないかな。

そんなふうに考えた。