マーケットインなライティング

ウェブサイト制作で一番悩むところ。こんなことコクったら怒られるけど、やっぱり会計事務所あがりの素人から僕の髪の毛程度はえたヤツが、デザイン勝負はできない。あこがれるし、うらやましいなぁって妬むけどね…..orz

となると、やっぱり僕の場合、お世話になった方々に育ててもらったスキル、「問題解決につながるような視点の一助と実行」で差別化を図る努力をしている。難しいので四苦八苦してるけど(ォ

前置きはさておき、本題に。制作で一番悩むのが、マーケットインなライティング。というのは、打ち合わせや預かる資料からテキストをおこす場合、プロダクトアウトなものが7割以上ではないかな。

「プロダクトアウトとマーケットイン」、それぞれを定義する能力を持っていないので(ググるとてんこ盛りあるので)、ざっくり拝借すると、

  • プロダクトイン: サプライヤーサイド(供給者側)の思考(論理・感性・技術)を優先した商品開発
  • マーケットイン: カスタマー(マーケット)サイド(需要者・顧客側)の視点(ニーズ・ベネフィット)を重視した商品開発


ウェブサイト制作は、マーケットインなライティングやテキストのほうが、よい反応を得られる傾向なわけで。商品説明のページはのぞくけどね。ところが、目の前におかれたドキュメントは、プロダクトアウトだから、それをマーケットインに変換する作業が必要。

例えば歯科医院のサイトの場合。一昨年までお世話になっていた会社の先生方の大半が、あるスタディグループに所属していらっしゃった。なかには、講演や講師もこなしておられた。その先生方とのサイト制作やページ更新の打ち合わせの時、必ず質問することがある。

  • 「先生、このオペの痛みは?」
  • 「同じケースで他の患者さんが心配したことは?」
  • 「オペ後の生活での不都合は?」

など、ぱっと思いつくだけども上3つ。なぜ、こんな質問を投げるかというと、先生方が僕に説明する内容は、術式や審美的・機能的回復の工程などオペレーションやトリートメントにフォーカスされている。これはこれで大切だから、僕も必死でメモをとったり、タイピングしたり、先生に書いていただく。

サイトのターゲットが、学会やスタディグループの先生方なら、ここで終わって問題ない。でも、患者なら話は別。専門の解説に+α、「患者側の関心事」が欠かせない。中途半端な知識を披露するなら"QOLな事実"。

ところで、先生方との打ち合わせから、とても勉強になった点があった。それは、「患者側の関心事」をスラスラと書いたりわかりやすく説明する先生と、しない先生。face to face になると、「する・しない」の違いを如実に体感できた。その違いが、患者へのコンサルテーションや医院経営に反映されているんじゃないかなぁって邪推。一概には言えないってことわっておくけど。

話題がそれた。結局、ナニを悩むかというと、内的要因と外的要因のふたつ。

  1. 内的要因: 僕のライティングのスキル
  2. 外的要因: クライアントの"傾聴"データ

1.は、いわずもがな。マーケットインなライティングの前に収集できる情報は、おおむね「感覚」に近いニュアンスのものが多い。いわば皮膚感覚や直感を、適正なコトバに置換するスキルがまだまだ足りない。ボキャブラリーやメタファー、イマジネーション…..etc(笑)

2.は、僕が的確に質問できるかに成否がかかるけど、クライアントが「お客さんから傾聴したデータ」を収集しているかどうか。先の例でいえば、オペを含めた初診からメインテナンスまでのQOLな事実を収集しているか。

正直、2.はあまり気にしていない。回を重ねれば、自ずとでてくるものだって思っているから。むしろ、どこまでいっても1.だな。ホント、頭がイタイ。どうにかならんもかねぇっと、頭を抱えながらチャレンジしてるけど、久米宏さんの新番組の視聴率ぐらいのセンスがほしい…..orz。

余談ながら、今では、幅広い意味で使われているマーケットイン。「んな紋切り型じゃねぇだろう」って一人ツッコミをいれるマーケティング本は、「これからは、プロダクトアウトからマーケットインへ発想を切りかえて商品を開発しないと生き残れない!」って書いている。オイオイって。

どっちが是非とか、こっちにシフトしろとか、ってじゃないかと。例えば、iPodのようなイノベーションは、提案的プロダクトアウト型商品だと思うし、反対にMacMiniは、どちらかというとマーケットインな商品ではと、独断と偏見で。事業ドメインと商品開発の戦略にそって選択するメソッドじゃないかな。

かならずしも消費者や顧客は、自分の欲しいモノを映像化できるぐらいハッキリともっているわけじゃないと思うわけで。多様化すればするほど、どちらかに拘泥するとドツボにハマりそう。今のVAIOみたいに。

で、最後は追伸の意を込めた超よけいなおせっかい。先日、ある業界を診断するというFAXをいただいた。正直言って、FAXの内容ではどれだけ反応があるか疑問かな。とてもいい商品だと見聞したから余計にもったいないかなと。

  • 「なぜ、診断する必要があるのか?」
  • 「どんな経営状態なら読み手は心当たりあるのか?」
  • 「診断後の評価」

などを、専門的な経営用語ではなく、平易なコトバで訴求するほうがいいんじゃないかって。もっと踏み込むなら、対象とする業界の用語を使ったコピーライティングをするぐらいでもいいかなぁと。スミマセン、生意気ばっかり。応援しているから余計にリキがはいりました(苦笑)