情熱を表現するツール「Blog」

シアトルで開催された「ブログビジネスサミット」に参加した模様をまとめたレビューです。簡単なレビューですが、とても参考になりました。

nikkeibp.jp
Webマーケティングの近未来 第24回〜ブログビジネスサミット in シアトル(その1)


内容は、Robert Scoble氏のキーノートスピーチの概要です。Robert Scoble氏は、マイクロソフトの社員でアルファブロガーの一人と言われています。おもしろいことに

「ビル・ゲイツ氏がコンシューマ・エレクトリック・ショー(CES)で4000人を前にスピーチをするのと、Scoble氏が1万人に毎日ブログで話しかけるのでは、どちらが効果が高いか?」という議論はブログ界ではよく聞かれることである。

と、言われるくらいブロガーたちに多大な影響を与えている点です。その影響は、マイクロソフトの負のイメージを払拭するほどです。彼のおかげでマイクロソフトは、一般のイメージと違った受け入れられ方をIT業界ではされているそうです。

Robert Scoble氏が、なぜ「ブログが重要か?」という問いに挙げたキーワードが、「Passion(=情熱)」です。さらに

「パッション・コンセントレーター(Passion Concentrator)」。ブログを続けるにはパッション(情熱)が必要で、自分が書く分野について多大なる情熱を持っていて、そのパッションがその人のブログにはコンセントレート(濃縮)している

と説明し、続けて「なぜ"情熱"が重要か?」と解説しています。この点、「ビジネスブログ」のノウハウについて示唆に富んでいます。

私もまったくの同意見です。Webサイトの制作をしていて、常々感じることがあります。

それは、「顧客自身は情熱を語ることはできる。しかし、その情熱をWebサイトで表現しようとしたとたん尻込みしてしまう。」という点です。

例えば、「漬物」の販売サイトで考えてみますと、経営者は「千枚漬」について情熱をもって語られます。聞き手である私は、その話にぐいぐい引き込まれていきます。ところが、打ち合わせが終了して、Webサイトで「千枚漬」をいざ表現しようとすると、どうしても衒った文章になってしまう時があります。

そのため私は、打ち合わせの時に録音した会話を書き言葉におきかえていきます。その際、できる限りその場の臨場感を残すように気をつけます。それでも、「商品説明」というカテゴリーでは、何か「照れくささ」みたいなものを感じる時があります。

しかし、不思議なことがあります。それは、商品説明から一歩離れて、「千枚漬」の製造工程を純粋に紹介すると徹した時です。この時にお互いに考えた文章を読むと、打ち合わせで語った「情熱」が見事に残っています。

この不思議な感覚を的確に表現して伝えられるツールが、「Blog」だと私は思います。

『「ビジネスブログ」として何かしら"営業"に役立てたい動機はあるが、先に立つのは、自分の商品に対する「情熱」になる。その「情熱」をもってブログを書き続けることで、読み手が共感してくれる。』

そんなサイクルがブログにあるような気がします。私自身もこのブログを書き続けてきた結果、ブログ立ち上げ当初では想像もしなかったコミュニケーションを読み手の方とできるようになりました。その一方で、「何かを伝えているという責任」も少なからず生じているのだと痛感しています。だからこそ、さらによりよいものを書いていきたいという気持ちが生まれてきます。

みなさんのサイトでも「ブログ」を取り入れるまでいかなくても、「ブログ的」コンテンツを考えられてみてはいかがでしょうか?