ウェブサイトを制作する際、若者向けと大人向けの違いを考慮しないといけないのでしょうか?どうやら米国では多少の違いがあるようです。コンサルタント会社米ニールセン・ノーマン・グループ社の代表であるジェイコブ・ニールセン氏がこのほど興味深い調査をおこなました。
Wired News
「10代の若者を引きつけるウェブサイト」の作り方
ニールセン氏が指摘するポイントは3つあげられます。
- 双方向
- プレゼンテーション
- 思考
1の「双方向」に最適なものとして以下の機能を列挙しています。
双方向性を有するもので最適なのは、掲示板、投票、クイズ、専門家に質問できる機能、あるいは若者が自分のウェブページを作成できるツール
日本で言うと、価格.comやはてなダイヤリー、さらにブログがあてはまると思います。最近は、消費者動向について「つねに自分より経験や知識の豊富な人の意見を信頼する傾向がある」とも報告されています。
社長や事業主のブログが読者に好評なのは、この動向が原因の一つして考えられます。消費が多様化している分、自分の欲しいものを詳しく調べたり、専門知識を得たいという消費者が多いのではないでしょうか。
次に2の「プレゼンテーション」では、主にデザインや訴求の度合いについてまとめられています。
- 適度な文字量と圧迫しない程度の画像
- 雑然とした文章だらけのページは苦手。オンラインショッピングの商品説明ページに不可欠要素
- わかりやすい構成
- デザインがスマートで、有益な情報がわかりやすく適度に掲載されている
冒頭で米国の若者は、「彼らはそり返るようにいすに座ってコンピューターに向かう傾向があるため」に文字のサイズを小さくしないほうがいいと勧めています。なかなかユニークなアドバイスだと思います。
決して読みづらいという理由ではなく、若者の「姿勢」を問題としています。これもユーザーテストを実施して得られたハードインテリジェンスで興味深いところです。
制作サイドは、どうしても読みづらいとか見づらいとか、視覚的要素やデザインを気にしがちです。それも含めて、それでは『ユーザーは一体どんな姿勢で何をしながらネットを見ているのか ?』という調査をおこない、ユーザビリティを考えている点が、いかにもニールセン氏らしい洞察力です。
最後の思考についてです。ニースセン氏はことあるごとに、「ユーザーに考えさせてはいけない」と述べています。今回の調査結果でも
「このサイトを利用するのにそれほど労力は要らないと、まさにそう感じさせる。それが若者を引きつける理由だ。そんなに苦労しなくてもいい。おそらく彼らは、どちらかといえば、やや不精な傾向にあるのだろう」
ユーザーに必要な情報を、「簡単に、手早く」引き出せることが重要であり、そのためには、サイトナビゲーションを考えさせてはならないといえます。
- ボタン画像なのか飾りの画像なのかわかりにくい
- ナビゲーションがどこにあるのかわかりにくい
- 各ページの構成がわかりにくい
など、制作サイドは「当たり前」のように思っている操作や構成も、実はユーザーにはわかりにくく、情報が引き出せない原因になっていることは多々あります。
そして、コラムの最後には、「若者をウェブサイトに引きつける最も重要な要素」を紹介しています。この結論は、万国共通なのではないかと感じながら読んでいましたが、みなさんはいかがでしたでしょうか?