nikkeibp.jp: Webマーケティングの近未来 欧米での企業ブログのケーススタディ(8)
全米でEコマースサイトのおける企業の成功例を取り上げています。今回の記事は、「先行者利益に甘んじることなく、Webマーケティングを進化させてつづけている」という点が参考になります。
Tシャツの卸売りをしている「T-Shirtking」は、1998年にYahoo!Storeにオンラインショップを開設し、これまでに1400種類以上のTシャツを販売してきました。2年後には、顧客数が数万人まで成長します。成功した要因は、
- Tシャツ販売の競合相手がいない
- 卸業より最終消費者のオーダーに注力した
- 検索エンジン対策、アフィリエイトの実施
- 内容が充実した週刊メルマガの発行
です。
ところが、2002年あたりから様相が一変してきました。
競合も検索エンジンの最適化の作業を始め、トップアフィリエーターにコンタクトを取り始めてきた。また、メルマガも、スパム用のフィルターによりひっかかるようになり、特に内容の長いT-Shirtkingのメルマガはフィルターによっては50%近くが購読者の手元に届かないこともあったという。
これまでの成功要因が、通用しなくなってきました。ここが、Webマーケティングの意思決定が問われるポイントになると思います。
- 現状のシステムを維持しながら、改善につとめる
- 環境の変化に対応できる手法を探し、システムを再構築する
今回のケースは、後者を選択しました。具体的には、
- メルマガの記事の続きをWebサイトに誘導する
- 1.を実施することで、スパムフィルターの検知をさける
- サイトをブログに変更し、ブログの機能を有効活用する
その結果、
2003年中に販売数は3倍に伸び、2004年も順調に売り上げを伸ばしたという。ブログの読者のコンバージョン率は最は高く、T-Shirtkingではブログのエントリを読んだ読者の6〜8%がTシャツを購入しているという。
IT業界はドックイヤーといわれるように、その時便利なシステムも数年たつと、臨機応変な運用が難しくなったり、費用対効果が低減したりします。そういう意味からすると、今のブログ隆盛も数年後どうなっているのでしょうか。
常に、新しい手法を探索するのはもとよりですが、それには、やはり、「今、何が流行なのか?」にアンテナをはり続けるのが大切です。例えば、私はケータイで買い物をしたり、メールをしたり、サイトを見たりするのが億劫です。それでも、今の10-20代の方が、積極的に活用しているデータをみると、「苦手だから知らない」では通用しないなぁと痛感します。
今回の記事には、Eコマースを成功させ続けていくヒントがあるような気がします。そして、先行者利益の蓄えを使ってWebマーケティングを進化させてつづけていくには、最適な手法をいかに選択するかを常に念頭においたWebサイトの運営が肝要なのではないでしょうか。