NBT: 第4回 サイトの目的をはっきりさせるにはターゲットを絞り込む
Webサイトを活用する上で一番大切な、Webサイトを設置する目的を明確にする必要がある。サイトの目的を明らかにして、目的に合わせてサイト全体を統一的に設計することにより、より高度で効率の良い利用が実現できることを示せばよい。Webサイトの設置目的の明確化は、サイト設計の基本中の基本である。しかし、それをおそろかにしている企業は、意外に多いものである。
このブログでも「なぜウェブサイトを作るのか?」で、Webサイト設置の目的を明確にする必要を書きました。目的をより明確にするために、私はサイト制作の打ち合わせで「一人の顧客」についてクライアントに質問します。
今回の記事は、米国で利用されている手法をわかりやすく紹介しています。それが、「ペルソナ-シナリオ分析」です。ペルソナとは、Webサイトの主要な対象ユーザーを想定した具体的な代表人格(=ペルソナ)をいいます。
まず、Webサイトを使わせたいペルソナを設定する。そしてペルソナのWebサイトを通じた情報収集行動や自社製品の購入にいたるまでの行動特性を洗い出す。そして、ペルソナがゴールと見なす地点を見定めて、Webサイトを設計するのである。ペルソナは何のために、Webサイトをどう使うかを調べ上げ、最終着地点に導く設計をするわけだ。
私の経験でいえば、「徹底した行動特性の洗い出し」がペルソナ-シナリオ分析の成否をわけます。ターゲットが女性であれば、
- 年齢は?
- 収入は?
- 容姿は?
- 独身?
- 持っているブランド品は?
からはじめて、どんどん掘り下げていきます。そして、そのペルソナがどの検索エンジンからやってきて、どんな情報収集をおこなうのか。最終的に購入するまでサイトのインタフェースのどこに問題があったかなどを検討します。
単なる性年齢別といったデモグラフィックな属性ではなく、Webサイト上での行動属性に重きを置いて、対象となるペルソナのWebサイトの利用行動に合った情報構造、リンク名の設定などをしていくのである。
ペルソナ分析の結果をふまえて情報構造やリンク名を設定するわけですが、このときにアクセスログの解析結果を参考にしてもいいと思います。
機能やFlashの有無、デザインなど技術的要素に重点をおく、いわばプロダクトアウトでWebサイトを設計しがちですが、マーケットインに着眼して、コンテンツとユーザビリティからWebサイトを構築してみてはいかがでしょうか。