1年間の業績が確定する今を利用して,”貸借対照表(B/S)””損益計算書(P/L)””キャッシュ・フロー計算書(CF)”からクリニックをのぞいてみませんか?「所得」と「税金」に目を奪われるかもしれませんが,そこをグッとこらえて,B/S・P/L・CFから物語をつくってみてはいかがでしょうか.
会計事務所の先生に委任されているなら,確定申告期間をなにげなくすごされるかもしれません.確定申告を「税金の納付・還付」と位置づけておられるとそうなりがちです.そこで,今,お手元にある1-12月のB/S・P/L・CFをご覧になってみてください.『確定申告書の所得と税金だけでなく』の#1では,まず,P/Lの「売上(=医療収入)」をのぞいてみます.
医療収入は,次の4つから構成されています(名称の差異はあります).
- 窓口収入
- 保険診療収入
- 自由診療収入
- その他収入
ここからさらにつっこんでみます.まずは,1.からです.
- 窓口負担の誤謬はありませんか?
- 窓口の未収はありますか,回収は円滑ですか?
- 窓口負担をする時の患者さんの表情をおぼえておられますか?
もちろん,この3つ以外にも,問いはあります.続いて2.です.
- 1日あたりの保険収入はいくらですか?
- 1時間あたりは?1チェアーあたりは?
- それらの収入と医院(院長先生・歯科衛生士・助手)が創出する価値に違和感はありませんか?
この他にも保険収入の属性は数値化されているでしょうか?患者さんの地域別・性別・世代別・時間別といった属性値です.
3.です.
- 患者さんの顔をうかべ,院長先生側の価格と価値・患者さん側の価格と価値に格差はありませんか?
- そもそも価値って何でしょう?
- 患者さんにその価値を確認するための手段やホスピタリティの行動指針を,スタッフと共有できていますか?
「価格」は他者が評価するものですが、「価値」を定義し,自信と矜持をもって提供すれば,「価格」は業界(=外側)からやってこなくなります.医院のなか(=内側)から絞り出すように生まれてくれば,説得力が可視化されます.
とはいえ,「価格」設定は,難しいですね.意志決定のなかでも最も困難なひとつだと思います.このブログを書きながらもわたくしも悩んでいます(笑)
最後に4.です.これは,歯ブラシやフロスなどの販売売上です.どんな問いがあるでしょう.
- 患者さんが歯ブラシを購入された動機は?
- スタッフがオススメしていたら,どんな動機づけか?
- 販売品を購入した患者さんが,次回来院されたときにかける言葉は?
目の前にみえるのは,数字です.数字はウソをつきませんが,その裏側にある物語を想像する力が問われます.数字は,現状を表現しています.現状を把握すれば,「来年の今頃の現状」を想定できます.「現在」と「来年の現在」にある落差をうめるのが対策だと思います.
対策の具現をめざすには,まず,問いをたくさんつくってみてはいかがでしょう.その問いをひとつひとつ答えたら,その問答集が,翌期の対策になるのではないでしょうか.
ありがとうございます。人材育成なんて首を270度振りますけど、検算と(申告書の)製本でしたらお役にたてるかと存じます(笑)
ぜひ、よろしくお願いします;-)
弊社でアルバイトしませんか(笑)
出来れば、人材育成で…