Web会議を利用した会計事務所の訪問サービス

ITPro: Web会議を利用した会計事務所の訪問サービス,月額7350円から

千葉県船橋市の税理士法人あんしん合同会計は,Web会議システムを用いて顧客とやり取りすることでサービス価格を下げた会計税務サ-ビス「ジャパンネット会計」を2006年2月に開始した.インターネット接続環境下で,Webカメラと音声マイクを使ってサービスを受けられる.会計事務所を安価に利用したい中小企業に向く.税務指導コースは月額7350円から,税務顧問コースは月額1万5750円から.

今ならSkypeをつかえば,無料でしゃべり放題です.実際,顧客企業にもSkypeを利用してもらうのでしょうか.設定料金が比較的安価です.

これからの起業家(事業承継する人も含む)は,オンライン(=向こう側の世界)を知っている人たちです.会計事務所がその人たちをターゲットにするのであれば,(最低でも)次の3つのタクティクスがあると思います.

  1. 従来型の訪問サービス
  2. 記帳代行サービス
  3. オンライン訪問・記帳代行サービス

1.には意図的にふれませんが,さらにあと数年もすれば,「会計」と「申告」が"向こう側"にいくかもしれません.いまでも,類似のサービスはあります.ウェブサイトの画面に仕訳を打ち込んで,それを送信すれば,後日帳票になって郵送されるサービスです.

  • 顧客は手元の会計資料を見ながら,ウェブサイトの画面に入力する.
  • 不明な点がでてくれば,Skypeで質問する.
  • アウトプットデータ(B/S,P/L,CF,経営分析指標)はすべてサーバーに保存
  • 法人の申告は,国税庁が個人向けに提供しているオンラインサービスを品質改良して提供する(民間企業が,「法人向け申告サイト」のウェブアプリケーションサービスを開発してもOK).
  • サーバーからデータをよびだし,申告サイトにインポート.
  • 申告の入力についてわからないところは,Skypeで質問する.
  • 会計事務所には,数人のスタッフ(アルバイト)がディスプレイの前でSkypeまち.

優れたUIをもつウェブアプリケーションサービスが開発されれば,これらのシーンは妄想でなくなるかもしれませんね(笑)

衣・食・住とおなじく,経営において「会計」がなくなることはありません.しかし,なくならないかといって,「価値と価格」を過去とおなじ水準で維持できるかは不透明です.情報の非対称性があるうちは安泰ですが,いまのように"向こう側"で"総表現化"が進行してくると,(放言してしまいますが)情報格差がフラットになってくるのではないでしょうか(もちろん「税務(税法)」の非対称性は残りますが).

余談ですが、"向こう側"に移行したサービスは,チープ革命がおきています.

今後,会計事務所と顧客企業のなかで,「価値と価格」の等価交換が,どれぐらいの「値」になるのか着目したいところです.

  • 2.や3.を本業とする会計事務所がもっと現れてくるのか
  • それとも2.や3.を手段にして,より「値」の高い取引がのぞめる「価値」を提供するのか
  • それにはどんな経営サービスを提供するのか
  • コンサルティングファームとの垣根はどうなるのか

一方で,顧客企業は会計事務所にこれからナニを期待するのかも興味がつきません.