はてなブックマークで57users(ポスト時点)がブクマしているSEOの記事(参照:SEO の基本を忘れてはいけない)。先週、ある歯科医院でよく似た体験をした。約1年ぶりぐらいの訪問だろうか。「サイトを更新していきたい」という理由でお会いすることになった。で、まさに次のようなやりとりになった。
「一番よい SEO 対策はなんでしょうか?」数年前から現在に至るまで聞かれ続けた質問である。そのときは必ず、「ユーザーが支持するよいサイトをつくることです」と答える。さらに、「よいサイトって何ですか?」と聞かれたら、「伝えたい情報をしっかり伝え、伝えたい情報にユーザーが容易にたどり着けるようにし、新しい情報をどんどん更新するサイト」と答える。魔法のような答えや、効果的なテクニックを期待していた方は、「そうですか…」と不満げである。SEO はテクニック、という考えが独り歩きしている証拠だ。
せっかくやる気になっているところへ出鼻をくじくような物言いをしたくない、というか、そんな勇気をもっていない。やんわりと伝える。サイトを更新したいけど、「更新の仕方がわからない」という顧客は存外いらっしゃる。「仕方」というのは、どんなコンテツをアップしていけばよいのかイメージできないといった感じ。仮説ー検証のサイクルが構築できていない。今回の顧客もそう。
傍らにはご自身のサイトを印刷した膨大なコピー用紙があり、随所に書き込みが見受けられた。が、それらを一瞥したわたしは、この膨大なコピー用紙が災いになっているのかもしれないと感じた。あまりにもやらないといけないことが多すぎて、何から手をつけていいのかわからない状態。
ところが、往々にしてそういう状態の時、ふたを開けてみると、「やるべきことが(ひとつも)決まっていない」ということがある。コピー用紙に○や×、注意点などを書き込んで、そこで終わっている。その次の「じゃぁ、何をやりましょうか?」との質問に戸惑われる。「やる」ための書き込みではなく、「(書き込みの)ため」の書き込み。わたしも「練習のための練習」はずいぶんやらかした。
だから、いちばん手のつけやすいところから着実にひとつひとつ片づけてはとわたしは問いかける。1年前のスタッフはすでに退職している。二つの目の診療所内の様子はずいぶん変わっている。それらはすぐにでも差し替えられる。なので、こういったところから手を加えていき、まずは、「サイトを更新するとは一体どういうことなのか?」をアクセスログも含めて体感してもらう。サイトを更新している「現実」。サイトの利点はその現実がすぐに反映される点。反映されると、そこは現場の方々、ユーザーと対話する必要性をおぼろげながらつかんでいただける。
その「おぼろげ」の輪郭を正確に描いていく作業がわたしの役割。それがうまくできれば、どの歯科医院の先生方やスタッフさんもすばらしいコンテンツをアップしてくれる。
そういえば、わたしのクライアントのなかで、他の歯科医院と比べ、群を抜いてアクセス数が多いサイトがある。
つづく。