「戦前日本とアルカイダ同列視」演説の外交メッセージ

米大統領、戦前日本とアルカイダ同列視 歴史観に批判

冒頭は9・11テロかと思わせて、実は日本の真珠湾攻撃の話をする、という仕掛けだ。戦前の日本をアルカイダと同列に置き、米国の勝利があって初めて日本が民主化した、という構成をとっている。大正デモクラシーを経て普通選挙が実施されていた史実は完全に無視され、戦前の日本は民主主義ではなかった、という前提。「日本人自身も民主化するとは思っていなかった」とまで語った。

こういう記事、英語ができない私には前後の文脈も原文の雰囲気もわからないのでさっぱり。で、朝日新聞社の思い入れが記事のニュアンスに含まれていないともかぎらない。

ちと妄想。シビリアンコントロールが前提の欧米のロジックからすると、”とうすいけん”なんてシロモノがよくわからんかったのでは。なので、極東国際軍事裁判でも文民に四苦八苦している。あまり多くを書くと、無知さ加減が露呈するのでこのへんで。

で、極東軍事裁判といえば、さきごろ安倍首相はパール判事長男と面会

パール判事は東京裁判に対する意見書で、戦勝国が事後法により敗戦国を裁くことに疑問を提起し、原爆投下を批判した人物。首相は冒頭、「お父さまは今でも多くの日本人の尊敬を集めている。日印関係の基礎を築かれた一人だ。パール判事のご遺志は日印関係を発展させることだったと思う。今日、日印関係は大変強化されている」と語りかけた。

というわけで、同列視は米国からの外交メッセージ。牽制(笑)

で、で、安部首相はいうと、「パール判事=日本無罪論」という理解から「日本人の尊敬を集めている」を伝えたとしたら絶倒。「アルカイーダ=戦前日本」と同位置。産経の記事はうまく取り繕ってる。ぼかしぎみ。

まぁ、妄想に愚考を重ねると、どちらも空気読めなさすぎの引き分けで矛を収めましょう、ってとこぐらいで手打ち。シャンシャン。