
ウェブサイトも写真も体系を学んでいない。本とネットだけ。独学といえば聞こえもよしだがそんなクールじゃない。素人よりも一歩だけ前へ進んだ実感はあった。だけどそこで止まったまま。
生来のなまけもの。とことんまでやる姿勢が欠けている。
よくわからず撮っている。なにもめざしていない。思うがまま撮っている。露出や仕組みがわからない。
雑誌の写真をみて数値をたしかめる。F値と露出と焦点距離。そうか、この数値はこう映るのか。独りごちておしまい。
ただずっと頭から離れないことがある。
なぜ「それ」を見えたのか?
この一点だけはずっと離れない。私には見えないものを見る。見えている。
たとえば二人で同じ場所に座って同じ時間を過ごす。感じたり物思いにふける。空間と時は同じでも存在は異なる。同じものを見ているようで見ていない。私の視角に入っても見ていない。でもそこにはある。
写真は画角を持つ。画角の外側は「ある」けれど写らない。現実の世界が想像の世界へ移る。
私が画角にきりとった現実の世界を別の人は想像の世界へと画角から削った。それが感性でありセンス。妬きたくなる感性とセンス。それらの写真を見るたびにたったひとつの疑問がずっと離れない。
なぜ「それ」を見えたの?