琵琶湖

電車は車窓を車はプライベート空間を

菜の花をよく食べた。そろそろ入荷もしまいなのか、色が褪せて花が咲いてる。ちぢみほうれん草も懐を気にしながら食べたが、陳列されている期間はほんとうに短い。新ジャガ芋、新タマネギが並びだした。スーパーの野菜もよいけど、車を所有していたら、ドライブをかねて道の駅で買い物するのも乙だし、滋賀県には車でないと足を運べない見所がある。

運転は下手でセンスがない。かつ維持する資力はないので車を所有していない。もし所有していたら、北湖へ通い詰める。かなり遠い。北湖の物静かな佇まいをたいそう気に入っている。近江舞子から近江今津方面への西近江路は湖岸沿いを走る。平行して走る湖西線の列車から望む車窓は、牧歌的で見惚れてしまう。もう少しあたたかくなれば、車には春の匂いが、はこばれて心地よさそう。マキノ高原のメタセコイア並木は、車でなら必須スポットだし、あのあたりなら隠れ家的なカフェやパン屋さんがあるかもしれない。マキノへたどりつくまでに気分がかわって鯖街道へハンドルを切り、熊川宿へ向かうのもおもしろい。車を所有しないのに空想はふくらむ(そうか、レンタカーもある、いや運転が)。

桜の季節。奥琵琶湖の名物は海津大崎。約4kmにわたって湖岸沿いに桜が咲き乱れる。桜のトンネル(画像検索)。車道は海津から西浅井の東行きの一方通行へと規制される。ここも未見。滋賀県に住んでながらなんともったない。このまま臍を噛むのはかなわない。電車でもかまわない。行きたい。遠い。

青春18きっぷを購入して、また琵琶湖一周途中下車をぶらりぶらりもよし、あるいは途中下車せずに180円で一周も粋。電車でも充分に楽しめるとはいえ、駅から離れている見所も多々あり、やはり車でないとと二の足を踏む。車で出かけるのを厭わなければ、滋賀県内は見所満載。が、住んでいると、県内をあえてドライブしようと思わないだろうか? どうだろう?

いつぞや滋賀県には寺が多いと知り驚いた。国宝も多い。寺回りを楽しめる人にはうってつけ。湖東三山、百寺巡礼などが趣味の方はいらっしゃるだろう。

もしも滋賀県で育った男女がお付き合いしたら、車でデートするとき、琵琶湖一周するんだろうか? 県外からやってきての琵琶湖一周は納得する。琵琶湖を見ながら育った二人が琵琶湖一周するかどうかに興味ある。もし自分がと想像してみたが無理。まったく想像できない。

電車と車、違いは移動空間。車は完全にプライベートな空間になるからステキだ。個室が装備された夜行列車は廃止されてしまった(残っているのはサンライズ出雲ぐらい?)。一度、夜行列車を利用した。快適で便利だった。そう感じる人はかなりマイナだったんだろう。

旅といえば、歳を重ねるにつれ焦っていることがひとつ。青春18きっぷを使った東京までの旅。旅といわないか、純粋な移動。時刻表を調べ、体験談を検索。体力を消耗しそう。静岡を抜けるのがたいへんらしく、私には死活問題が発生している。トイレ。最優先事項かつ重大事項。名古屋以東、静岡では、乗り継ぎによって列車内にトイレなし、長時間乗車もあると知った。正確に調べていないからあやふやな情報だけど。静岡はかなりきつそう。

以前、大阪から栃木か茨城の実家まで青春18きっぷで帰った体験談を伺い、剛の者を感じた。すごい。広島でも行くという。すごい。岡山までならわかるけど、岡山以西の広島は遠い。心理的距離感が西へ行くのと東へ行くのと異なるように感じる。同距離でも西へ行くほうが遠く感じる。気のせいなのに、とても不思議。

どんな過ごし方も、本人が意のままに楽しんでいる様子は惚れ惚れする。弟はサーフボードを車にのせて津々浦々、海をめざして走らせている。

私はそういう点、自らを楽しませる能力が低い。想像しながらどれを実行しようか思案してしまいがち。よく死ぬまでに行ってみたいところ、といわれるが、ひとつある。旅行のニュアンスではない。知覧特攻平和会館。思想的な右や左に関心はない。ここだけは死ぬまでに足を運んでおかなければならない気がして仕方がない。そして、行きは青春18きっぷを使って、一泊か二泊しながら訪ねられたら最高に贅沢な旅だろうなって検索している。


Comments

“電車は車窓を車はプライベート空間を” への5件のフィードバック

  1. のアバター
    匿名

    こんにちは。時折、ブログを拝見しております。私も九州に初めて行った時に、一番最初に訪ねたい所が知覧で、16年程前に行ってきました。感慨深い場所ですね …。

    1. こんにちは。音楽やハッとなるものを拝見させていただいており、ありがとうございます。知覧に行かれたんのですね。訪ねたい場所でしたら感慨もひとしおかと感じました。あそこはいまもなぜかわかりませんが、必ず訪ねなければと反応しています。そういう場所ってあるんですね。

  2. のアバター
    匿名

    こんばんは
    唐突のコメントに返信を頂きまして、ありがとうございます。
    知覧では、胸に残る言葉を拝見しました。今でも鮮明に憶えています。
    こちらこそ、書籍や音楽など拝見させて頂いており、ありがとうございます。数冊、同じ本を購入しております。ゆっくり本を読みながら、味わい深く過ごしたいと思っているところです。(^-^)

    1. こんばんは。胸に残った言葉を伺い、知覧には伺わねばと、さらに感じる次第です。
      拙文ですが、またご笑覧いただけましたら幸甚です。

  3. のアバター
    匿名

    はい。ありがとうございます。