hydrangea

鮮美

小林は、「見る」という行為の純粋性を、とても大切にしていたように思う。「美しい花がある。花の美しさという様なものは無い」という小林の有名な言葉がある。「美」という抽象概念に対して、目の前にある具体的な花という体験自体を優先させる。

知りつつ、知ることを忘れること
『小林秀雄全作品』刊行開始記念 茂木健一郎

三十代前半、「美しい」がわからなくて、『人はなぜ「美しい」がわかるのか』(ちくま新書 橋本 治)を読んだ。何度も読んだ。読めるけど、読み終えたら何を読んだのか覚えていなかった。橋本さんの著作の共通項。これもその一冊だった。

四十半ば、「花の美しさという様なものは無い」をすこしずつ理解できてきているんじゃないかと感じる。

hydrangea
*FUJIFILM X-E1 *FUJINON XF35mm f/1.4