資本主義的社会主義

税金に関わる仕事をしていた時から感じた。「日本は資本主義的社会主義」やない?って。まぁ識者の方々がいろんな書籍でわかりやすく説明してくれてるから、それらの良書を読まれた方がはるかに理解できて納得されるかと。私はあくまで税金面から少しのたまってみようかな:->

日本にも昔から「平等」という考えはある。徳川時代でさえ、平等社会だったといわれている。「コラ、ちょっとまて、士農工商があるから平等やないやない!」かとツッコまれそうやけど、少し見方を変えてみて。「武士に生まれたらずっと武士」「商人に生まれたらずっと商人」という身分序列が変わらない平等といえない?

で、明治維新がおきて、士農工商制度を廃止されて「機会の平等」がやってきた。ところがここで少し日本独特!?の問題が発生する。ズバリ、「結果の不平等」をどうするか。だって誰でも商売して儲かるチャンスはできたけど、成功する人と失敗する人がでてくる。当然やね。ところが、「結果の不平等」をケシカランといったことを国を治める優秀な!?官僚が叫び始めた。

それが、累進課税と福祉主義。とにかく「高所得者から税金をとれ!貧乏人からは税金をとるな!」さらに税制を複雑怪奇にして国民にできる限り理解できないように試行錯誤した。だって、年末調整の扶養異動届や保険料控除なんかの説明をみれば一目瞭然。あれを理解できるサラリーマンは、かなり読解力があって頭脳明晰な方です。その国家戦略が大当たりし、税金にこれだけ無関心な国にしたてあげた。だから一部の公務員は社会主義のごとく税金をどんどん公共事業に投資する。

累進課税で高所得者から税金をとれば、結果が限りなく平等になる。さすがに私有財産の制限や経済の国有化までの社会主義までいってないけど、かなりそれに近い状態やない?相続税もえげつなかったよ、最近まで。冗談半分で言う「財産は三代でなくなる」というのは、ある意味的を射ている。

だから脱税が横行する。しかも不思議なことに日本は、課税が厳しいけど徴収は甘いし、刑事罰もかなり甘い。アメリカは徴収はめちゃくちゃ厳しいし、脱税をしようものならアカ落ちがまってる。たとえばアルカポネは所得税法違反で有罪になり、アルカトラズ刑務所でその生涯を終えた。

ここ数年になってようやく累進課税の税率が下がり、直接税から間接税へ移行しているけど、それでも課税所得最低年収が先進国のなかで異様に高い。徴収も甘いし、刑事罰もない。あっても追徴課税ぐらいでしょ。

もうここらで税金だけは、「簡単な制度で公正に経済活動に寄与」しません?余計な所得控除をはずし、課税所得最低年収も欧米並みの100万ほどにして、公正に課税し厳格に徴収する。で、みんなが確定申告をし、電子申告もOKにする(ってもう時期そうなるけどね)。相続税もそこそこ徴収したら次世代に引き継ぎ、消費や投資に回せるようにする。

さらにもっと税金の制度や消費税の仕組み、老後の年金なんかを教育や社会人講座の中に取り入れて、一人一人が「自分のこととして考えてきちんとお金を運用する」ようにしません。それだけやって「弱者」が生まれるのなら、それは結果の不平等として納得すべきやない?

国がすべて面倒みるかわりに、税金の聖域にふれさせない。その結果、「弱者を切り捨てるのか?」って元警察官僚のある政治家(政治屋?)が言うけど、そんなの弱者になって当たり前やし、自分らがそうしてきたんやろう?ってツッコミたくなるからなぁ。

きちんと納税します。だから必要最低限の環境整備だけして。あとは、何とか自分で勉強しパートナーたちとがんばってやっていきますから。ちょっとソッとしておいてくれません?大きな政府。

追伸
関係ないけど、本日の電車内携帯電話使用率(私から半径1m以内)、7台/12人。多いかなぁ?