フリーマン、おめでとう!

遅ればせながら、第77回アカデミー賞について。モーガン・フリーマンさん、おめでとうございます。過去、ノミネートされるたびに今年こそはと期待しておりました。ようやくの受賞にイチファンとして心よりお祝い申し上げます。個人的にではありますが、"ハナタレ"祝杯をあげさせていただきました。度数44度のロックはキクぜ:->

氏は、アフリカ系アメリカ人の俳優でマイフェイバリットの一人。数々の出演映画のなかで、印象に残っているのはご多分に漏れず「ショーシャンクの空に」ですな。まぁ、無難な路線ということでご勘弁を。これは、1995年アカデミー賞7部門ノミネートされながらも無冠におわった名作。いやぁ、最後の仮釈放にするかどうかの審査面接のシーンをただただ無言で見て、頬に涙が伝わりました。

Congratulations to Mr.Morgan Freeman

:::産経新聞 夕刊[国際] 平成17(2005)年3月1日[火]:::

初オスカー「人生すべて役者」 いぶし銀 M・フリーマン 単独インタビュー

【ロサンゼルス=岡田敏一】アカデミー賞で助演男優賞に選ばれ、初のオスカーに輝いたモーガン・フリーマン(67)が、二十八日までに産経新聞社の単独インタビューに応じ、出演作「ミリオンダラー・ベイビー」(クリント・イーストウッド監督)について語った。「まだ、オスカーを取ってなかった?」と声が出るほど著名な“名脇役”だが、「これまでの人生すべてを役者として過ごしてきた」という言葉にもいぶし銀の味わいが感じられた。

今回「ミリオン…」は、フリーマンの受賞のほか、作品賞、監督賞、主演女優賞(ヒラリー・スワンク)の主要四部門を独占。イーストウッド監督は西部劇「許されざる者」(九二年)に続き、作品賞と監督賞のダブル受賞を果たした。

 フリーマンは、今回の出演の経緯についてこう語った。

「脚本を読んだ段階ですごい作品だと思った。しばらくして突然、クリントから『君が興味を持っている脚本があるんだって?』と電話がかかってきたんだ。私が『そう。すごい脚本だ』と答えたので彼もその脚本に目を通した。感想は同じだった。そして彼は一言。『一緒にやろう!』」

フリーマンの役どころは、老トレーナー、フランキー(イーストウッド)の旧友で、元ボクサーのスクラップ。「彼は旅するファイターで、自らは試合に出ず、他のファイターを鍛えるためだけに存在している。若いころは輝いていたが、年を重ね、何度も(練習で)殴られているうちにスクラップ(くず鉄)みたいになったのさ」

こうした難しい役どころを、演じ切れる人はハリウッドでも少ない。これまで約四十本の映画でいぶし銀のような演技を披露し、俳優仲間からも尊敬されて来た。

「これまでで最も印象深い役? 『NYストリート・スマート』(八七年の犯罪アクション)でのポン引き役かな。それまでの(黒人の)ポン引きといえば、帽子をかぶって毛皮をまとい、ギンギラのキャデラックに乗ってたものさ。でも私はアルマーニのスーツでばっちりキメたポン引きを演じた。異彩を放っていたと思うね」

この役で彼は主演の故クリストファー・リーブを凌ぎ、ハリウッドを瞠目(どうもく)させた。

「でも、今回の作品ではヒラリー・スワンク(主人公の女性ボクサー、マギー役)が素晴らしかった。ずば抜けた才能の女優だね。110%の努力と才能を出し切ってマギー役を演じたよ。クリントの実にスムーズな手腕も見事だった」

悲しい結末についても「これはファンタジー映画ではなく、リアルな人生の物語を描いているんだ。ハリウッド映画が作ろうとしない、また作れなかった勇敢な映画だと思う」。

アカデミー賞には四回ノミネート(今回含む)され、初受賞。それでも「また一緒に仕事をする機会を与えてくれたクリント・イーストウッドに感謝したい」と語った。

「役者になりたいと思ってなったのではなく、これまでの人生すべてを役者として過ごしてきたんだ。気分はいまもティーンエージャーさ」