階段

2010.09.07 晴れ午後から曇 夕方激しい雨

午前中は晴れていて先週よりは過ごしやすい朝。天気予報どおり昼から空が濁りはじめて灰色に。夕方、激しい雨。激しく降る大粒の雨というよりスコールみたいな感じ。あかげで植木に水をやらなくてすんだ。

O先生のイラストを仕上げる。O先生からメールがあってリニューアルへの焦燥感が伝わってくる。仕上げたのでいつものように2,3日寝かせる。見ないようにする。

先日、最寄り駅の階段を降りていると前の女性が突然止まりかけた。週末の最終列車から下車する人々、ちょうど中間地点あたりの場所だった。前と下を向いて歩いていて、その突然の動作に何とか反応してスッと横へよけかけた。それから女性の前を見ると20代後半から30代前半ぐらいの男性が2台の携帯電話を持って両方の画面を見ながら立ち止まっていた。

自分がコントロールできない空間の危険が広がっているかもしれないなと感じた。自分の視野と身体感度をもっと向上させないと。意識しながら歩いてはいけないと思う。むしろぼぉっとしながら周りを見るともなくぼんやり眺めていて身体の力はほどよくぬけている。あっと思うより先に身体が動く感じなのか。今の自分は、「あっ」と思うと身体が停止している。それは自覚できている。だから怖いよ。

言葉で表現したら伝わって当然なのかな。文章にするために記憶した「階段の映像」を思い浮かべた。映像から言葉にするとき、自分が見ていた映像を削り落としている。言葉にする前に映像から何かしらの文脈をいくつか切り取って、その文脈を吟味してそぎ落としながら言葉で表現する。

女性が立ち止まった瞬間、自分が横へスライドした先には誰かがいた。その誰かを描写していない。その人の動作を言葉にしていない(あるいはできていない)。

記憶の制約を解除したらたぶん自分の目は記憶されている情報量より数倍から数百倍?!の情報量を受信していたはず。

階段の映像を言葉で表現するとき、自分は「空間の危険」という道具で映像を編集した。それとは違う道具を使って階段の映像を再編集して言葉で表現したら上の文章とはまったく異なるシーンがここに記述されていたのかな。

そんな感覚がぺったりとまとわりついて離れない。