これは私がかねて信条にしていることですが、ありえないことを除外していけば、残ったものは、たとえどんなに奇想天外であっても事実であるはずです。
—–シャーロック・ホームズ
脳のなかの幽霊を読んだ方ならご存じかも。11章の冒頭の引用。シャーロック・ホームズのこの言葉はよく見聞するが、あらためて「除外する力(消去法)」を身につけないといかんと決意。
例えば、ユダヤ人の頭のなかで出題されているテスト。
[問題]下記設問の選択肢から、「最もユダヤ人っぽい」と思われるものを選んでください。
あなたは、商業用不動産販売会社に勤務しており、会社の会議室で、ジョイント・ベンチャーを組成した2人の人物と商談中。ひょんなことから、この2人が、契約とは全く関係ないことで議論を始めた。会議室のムードが急速に緊張していく。あなたなら、この場合どうする?
- コーヒーブレイクにしましょう、と提案する
- あなたに起こった少々複雑な話を面白おかしく話して彼らの気をそらし、皆が笑い合ったところで本題に戻る
- 双方の意見を聞くよう勧め、第三者の目で問題解決に協力しようとする
- 今日はお開きとし、日を改めて再度ミーティングを持とうと提案する
- 邪魔しないようにし、彼らの議論が終わるのをじっと待つ
この問題は第9章で出題される。9章まで読んでいると、「ユダヤ人っぽい」っと思えるコツはつかみかけているので、「コレ」かなと選択できる。
察するにこの手の選択肢問題は、”明答して選択する場合”と”消去法から選択する場合”を瞬時に判断できないといかんかと。で、明答できる場合はモウマンタイだが、消去法が今の自分にチト足りない。
「除外する力(消去法)」って判断や意思決定の技術として大事よねぇと、遅咲きながら痛感する。なんつーか、なかば強引に服に例えたくなる。
ミーティングへ着ていく服がスーツしかないなら迷わずスーツを身にまとう。ところが、ジャケット、ブレザー、セーターがある場合はどうか?
となると、そもそもジャケットやブレザーをしまう引き出しが必要になるわけで。たくさんの引き出しを持っていて、中に入れる服をどれだけ持っているか。その状態でようやくTPOにあわせて選択できる。
ようは、服が「経験値・知恵・知識」で引き出しが「視点」。結婚式に黒のネクタイをしていくナイスガイはいない。直感(むしろ常識だな)で「バカ」とわかるしね。
今までスーツしか身にまとわなかった自分が、多少なりとも立場違って、ラフな格好もシックな装いも選択できるようになった途端、TPOに悩む。まだまだ青2才よのうと凹。
目の前に問題があり、解決する選択肢がいくつかある。1つ即断できるならスルー。即断できず選択しないといけないとき、何を除外するかの判断はどれだけの”服”と”引き出し”をもっているかによって形成されるんではないかと。
欲を言うならば質の良いタンス(=思考力・考察力)がほしいところですけどねぇ。