視てもらおうと思えば思うほど不愉快

「正解はCMのあと」は逆効果 視聴者86%「不愉快」

場面を盛り上げるだけ盛り上げておいてから「正解はCMのあとで」「最新情報はこのあとすぐ」。こんなテレビの「山場CM」が多い番組に視聴者が不快感を抱いていることが、榊博文・慶応義塾大教授(社会心理学)らの調査で明らかになり近著で発表された。国際比較でも日本の山場CMは欧米より格段に多い。テレビ局側の思惑とは裏腹に、そうしたCMへの好感度が低くなり商品の購買意欲も下がるという。

調査方法を精査する余地は残っているかと思いますが、それにしても、視聴者の受け止め方に関心を払わなければいけないが、CMのあとも見ていただく努力については度を超さない限りは許していただきたいというテレビ東京のコメントにビックリ。本末転倒ですよ。いいモノは山場CMがなくても視ます。それにもうひとつ、CMそのものの”質”。YouTubeにアップされている欧米モノに比べると、日本のCMってイメージCMすぎ。高い制作料よりも高いギャラを払って芸能人を登場させればOK。堕落。CMと番組、両方とも「視たいモノ」であれば不愉快になりません。

考えなさすぎ、じゃない。「視てほしい」ために手を入れれば入れるほど不愉快。「買ってほしい」と手を入れれば入れるほど買わない。制作はスポンサーの顔色をうかがう。その結果、ドラマや番組内であからさまに宣伝する。おまけにカンタンでワカリヤスイ。ストックではなくフローな快楽消費。「顧客の顧客」を忘却。

私なら「顧客の顧客」はディスプレイの向こう側にいるユーザー。顧客が伝えたい内容に異論があれば口をはさむ。「顧客の顧客」が喜ばないコンテンツをアップすれば、ソンするのは顧客。誰もオモシロクない。そんな仕事に結果はナイ。

「わかりにくいものを選ぶ」

今、目の前にあるこの言葉を山場CMに一喜一憂しているヒトたちへ贈ります。

テレビCM崩壊 マス広告の終焉と動き始めたマーケティング2.0

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